泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
とあるサイトの立ち上げに向けて、昨日まで通常の2倍の速度で働いていた。今日からやっと通常営業モードに。

通常の2倍の「量」じゃないところがポイント。必要な画像やテキストを手配してもらったら、あとはサイト設計もデザインもコーディングも、もろもろ全部一人でやった。その完成速度を上げるために2倍の「速度」で働いたわけだ。まずまずのページ数だが動的にどうこうするものでもなく、どんどん作った。全体の4分の3くらいは自分で作った。残りの4分の1(MTのカスタマイズとか)は諸事情で他の人に手伝ってもらった。今後、コンテンツが増えても柔軟に対応できる器ができたと自負している。

とまあ、「オレこんなにがんばったんだゼ」的な話がしたいわけではない。

ディレクターになってから(実際にはそのしばらく前から)、今の常駐先に来るまで自分で手を動かして何かを作る仕事はほぼなくなっていた。そこで今回わりと気張ってあれこれ実装することにしたとき、サイト制作の敷居の低下に驚き、助けられることになった。

つまり何年か前、自分が制作を主としていたころにくらべ、圧倒的にフリーのツールやら素材やらジェネレータやらが増えていたのだ。phpだって、「確かこんなことができたはず」と思って検索すると、簡単にサンプルが見つかった。自分でPHPを実装した経験が皆無に等しい身でも、特に問題なく導入できた。他にも、判らないことは調べればたいてい誰かが解説しているし、フォトショップのブラシやらなんやらもすぐに見つかる。もちろん、どれもこれも100%そのままで使えたというわけではなかったし、「道具に使われている」ほど頼ったわけではない。だが、補助的に使うのであっても、今の環境は前に自分が制作をしていたころに比べると、あまりにも便利だ。

私だってそういう事態になっていることは知っていたし、これが「いまさら携帯電話を知り、その便利さに感心している」という類の話だということは判る。しかし、本腰を入れてそうしたツールや情報を活用する身になって、あらためてその凄さが実感できた。

とまあ、ここまでが前フリ。出だしの自慢話は前フリの前フリである。今日も前フリが順調に長い。以下本論。webディレクター的な立場から悲観的に考えてみる。

こうしたweb制作を助けてくれる諸々について、現状ではweb制作者以外での認知度は低い。しかし、これくらいの情報なら時間と共にそれ以外の人へも認知されていくだろう。今後も発展してく類のモノだろうし。
となると、だ。中途半端に知っているクライアントなどから、「これってあれとかこれとか、無料でも作れるんでしょ…(だからもうちょっと値引いてよ)。そちらもああいうのって使われるんですかね?アハハッ」といったような話が出てくるようになるのかもしれない。

そこで「提案力を」「技術力を」「デザイン力を」といった「質」についての頭に花畑が広がったような寝言は言いたくない。今でもたいがいの「お金をもらって作成される」サイトやページは差別化の要素になるくらいの技術やデザインや提案力を必要としない。ほどほどのクオリティをほどほどの予算でちゃんと作ることを求められる機会の方が多い。そもそも、ほどほどの制作しか出来ないくらいの予算しかクライアントも出せなかったりする。
web黎明期に比べて様々な単価が下がり、その一方で新たな技術や手法が出てきて収入の主因が異動するという推移はこれまでにもあったわけだが、どうなんだろう?そうした推移は今後も続くんだろうか?

そりゃ予算以上のクオリティが出せれば出せるほどよいだろう。毎回、もらったお金なりの仕事しかしないというのは先細りになるし、ヤル気も出ないし。しかし、毎度それでは個人でもない限りそうそう採算が取れない。非常に有能な制作チームが素晴らしいサイトやサービスを作るのは素晴らしいことだ。しかし、それは数が少ないからこそ素晴らしいというのは当然のことだ。それ以外の人々はそこまで素晴らしくないし、だからといって飢えて死ぬわけにもいかない。

そうなると「ほどほど~」なサイトやサービス、ページを主な収入源とすることになるわけだが、そこが値を下げざるを得なくなる口実の一つとして前記の「あまりにも便利な諸々」が利用されることになったら、実に悲しいことである。仮に実際、それで制作コストが多少の値下げを受け入れられる程度に下がったとしても、どこかで標準的な価格が損益分岐点をうっかり下回らないだろうか?今でさえ、ディレクターに限らずweb制作において見積りと予算を管理する立場の人間はシビアな価格調整で頭が痛いというのに。競争力のない者が淘汰されるのはある程度しかたのないことだが、過当競争による必要以上の淘汰では全体が疲弊してしまう。それに、競争力が高いものほど数は少ないわけで、ほとんどの人や組織の競争力は自分も含めてそこまで競争力が高くない。だからといって座して死にたくはない。

たぶん歴史の長い製造業では多かれ少なかれこうした変動を何度か乗り越えているはずなので、何か参考になることもあるのだろう。だが、悲しいかな自分にはそうした情報が今のところ見付けられていない。

こうしたことすべてが、当面は確実に杞憂だろう。いつまで経とうが杞憂であって欲しい。
スポンサーサイト

あくまで外部の人間としての意見だけど、杞憂ではないと思うよ。

例えば、メーカーの電話サポートセンターが中国で営まれるような事が現実に起きている以上、もう中国では「日本語」は大した参入障壁ではなくなりつつある。となればweb制作を破格で請け負って中国の事業部に丸投げするような大手プロダクションがいつ出来てもおかしくないし、そうなれば今よりもっと価格競争は厳しくなるよね。
まあ、ここまで仮定の多い状況を想定してもしょうがないかもしれないけど……。
ただ現状で多くのweb制作請負業がほとんど価格しか競争要因が無いのは事実だと思うし、それを甘んじて受け入れていたらジリ貧になると思う。

参考になればと思って率直に、業界外の人間、そしてクライアント側の人間として言わせてもらうよ。
はっきり言ってほとんどのサイト制作請負業者は顧客のニーズに全然マッチしていない。
大抵の業者は「見やすいサイト、見栄えのするサイトを作ります。Flashでかっこいいtopページも作ります。SEOもちゃんとやります」、ちょっと高度な所でも「cgiも組みます。blogやショッピングなどのシステムもカスタムして全部世話します」と加わる程度でしかない。
このレベルってはっきり言って当たり前すぎて、「どこに頼んでも大差ないだろう」という印象。
これって少し前の「会社(商品)のwebサイト作らなきゃいけない(売れない)らしいよ」ってレベルのニーズにしか対応できてない。
でも今はどの業者も「webサイトを作るだけじゃ儲からない」って事は学習しているのに、それに対して請負業者は「SEOやります」なんて対応しかできていない。
これじゃ全然レベル足りてない。
わかりやすく例えて言うと、溶接工が「いろんな溶接できます」と言ってるにすぎないレベル。そんなアピールされても「だから何?」って思う。
そりゃ当然、価格で競争させるよ。

今企業がwebサイトとその制作業者に求めている事は、会社のマーケティング戦略の大きな仕掛けとしての役割だよ。
それには「うちはwebの制作業者です」では役不足で、「うちはweb戦略を中心に据えたプロのマーケッター(もしくはマーケティングコンサルタント)です。もちろんうちでディレクションもします」という業者じゃなければ外部に頼む価値がない。
そういう業者はまだすごく少ない、もしくはすごく高いから、会社は自社内で「どんなサイトやコンテンツが必要か」とアマチュア知識のwebの事まで頭を悩ませながらマーケティングを考えてる。お金のある会社はすでにマーケのコンサルが入ってる。
その段階ですでに十分予算を使っちゃってるから、制作業者には「うちで考えた通りのサイトを『ほどほどに』、安く作ってくれる」事が一番に求められちゃう。
こういった事は本当はwebのプロに頼みたい事なのにそれをできる業者がいないから。
事実、他社の経営者と話してても「webの会社、全然つかえねー」って意見をよく聞く。その通りだと思う。現状のほとんどの制作業者は「つかえない」レベル。

今後ジリ貧の現状を打破していきたいとすれば、もっと「提案力」が必要だというのは寝言でもなんでもないと思う。
せめて「マーケティング戦略の立案段階から、webのプロとして参画して力になります」というレベルでなければ、お金をかけようなんてとても思えないよ。

2007.09.12 12:00 URL | たなかん #- [ 編集 ]

本文並みに長い文章になってしまった……

2007.09.12 12:01 URL | たなかん #- [ 編集 ]

>たなかん

上記記事は「制作者にとって素晴らしい発展が、値下げの一要因になると悲しいよなあ」という話なので、たなかんのコメント内容自体はまあ、そうだろうと思う。

「寝言云々」については見解が違うけれど、これは「競争力はそんなにないけど、ジリ貧はいやだ」というスタンスへ心情的に肩入れしているだけなので、自分としてはあまり重要な点ではないです。

2007.09.14 20:39 URL | ハムカツ #z2eU7D8Q [ 編集 ]

>「制作者にとって素晴らしい発展が、値下げの一要因になると悲しいよなあ」
そういった事を製造業(その他の業種も)が乗り越えてきた事はハムカツの洞察通りで、それをどう乗り越えてきたか、という話が俺のコメントの通り。
つまり顧客や社会が求めている物を的確に捕らえて提供できるよう大きな変革を続けてきた業者だけが生き残ってきた。
それを怠ってきた会社(今のうちの社も含め)は買い叩かれたりして企業体力を落とし、挙句の果ては、これもハムカツが洞察している通り、売っても赤字という状態になって廃業を余儀なくされたりなわけだ。

それを「悲しいなあ」で済まして許されるのは外部の人間だけで、ハムカツの場合は個人事業主(だよね?)なわけだからそれじゃ済まないと思うよ。
少しでも危機感があるなら手は打たなきゃね。「でもウチの業界はこういうものだから」って考え出したら周りと一緒に沈む事になるよ。
社員雇ってるわけじゃないからダメになったら適当な会社に再就職すればメシは食っていけるだろうけど、それはハムカツの本意ではなかろう?

まあ、打つべき手は俺が書いたような事だけじゃないはずだから、その辺はあくまで参考までに。

2007.09.14 23:28 URL | たなかん #- [ 編集 ]

コメントの投稿 ※管理者の承認制です












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://hamkatsuya.blog104.fc2.com/tb.php/65-cd0ee7bd

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。