泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

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これは「1を以って10と成す」そんな類のお話。

以前、仕事で「WEBにもITにもたいして興味関心はない」という大勢の人に向けて情報を流すサイトの仕事をしていた。

そこでのユーザは男性が多かったこともあり、次のようなネタは反応がよかった。グラビア、芸能、アイドル、懸賞&プレゼント。芸能人も破局などのゴシップが人気で、映画は「どんな話か」や「誰が監督か」よりも「誰が出ているか」で反応が違った。人気有名女優なんかが出てないと、どんなに面白そうでもダメだった。このサイトへ来るユーザの行動傾向を私は、『「知らないものは好まない」の法則』と名づけていた。どれくらい一般化できるか判らないが、サイトのユニークユーザ数の多さからして、けっこう一般性があるんじゃないかと思う。

好奇心に訴えかける方法は有効じゃないか、という意見もあるだろう。もちろん有効だ。ただそれは、マジョリティユーザ側が「好奇心を刺激されたい」「知らないものに接したい」と思っているときのみだ。そしてマジョリティユーザはいつもそう思っているわけじゃない。目的がある場合は特に。

ここで前振りが終わり、話が飛ぶ。つい先日まで一部で話題だった「web標準」の話をしよう。web標準についてはWeb担当者フォーラムの「ウェブ標準、それは状況や環境に左右されない情報伝達を実現するためのもの」という記事が概略を説明している。要はリンク先の記事にもあるように「状況や環境に左右されない、等価な情報伝達を実現する技術仕様」ということで、主に技術的な話だ。
加えて(少し前にモメてた?)「Web標準の日々」のサイトを見れば、web標準という考えがどういうものを扱い得るかが掴めるのではないか。

自分はこのイベントに参加していないので、どんな話が出たのかは講演者が公開している資料からしか窺えない。しかも怠惰なので、それも多くを見たわけではない。
しかし、「WEBにもITにもたいして興味関心はない」という大勢の人にとって、おそらく重要なのはソースコードでも環境の汎性でもない。コンテキストでもなければユーザビリティでもない。今のところ大多数の人は相変わらずIEの6とか7とかで見ているのであり、読み上げてもらう必要はなく、カラーリングのアクセシビリティとか多少悪くたってへっちゃらである。加えて、モバイルでPC向けのサイトは見ない。テーブルコーディングで困るのは運営者や製作者であって、ユーザではない。
(もちろん、マイノリティを無視していいというわけではない。ただここでは、マジョリティについて考えているというだけだ。)

で、こうしたマジョリティにとって、まず標準化して欲しいもの。それは(あるとすれば)サイト構成だ。直感的にわかるサイト構成とか、そういう話ではない。なるべく複数間のサイトで、ページ内の要素や構造を統一化するということだ。

たとえば。日本での映画公式サイトというものがある。たいていはフルフラッシュでアニメーションバリバリで、テキスト情報がコピペできないことも多く、人によっては遷移やアクセスのたびに演出を見せられるのを鬱陶しく感じることだろう。けれど一点において、映画公式サイトはマジョリティユーザの標準化要望に応えている。だいたいどのサイトも判で押したように、サイトの構造が共通しているのだ。
「イントロダクション」「ストーリー」「プロダクトノート」「キャスト・スタッフ」「トレーラー」「ダウンロード」「ニュース」「劇場」。ほぼこうだ。アルファベットかカナかの違いはあっても、名称も統一されている。まあ、「プロダクションノート」は「制作日誌」だったりもするけど。なぜ、映画公式サイトは揃いも揃ってこうなのか。理由はわからない。サイトで公開したい情報が上記で網羅できるからかもしれない。ともあれ、そういうものだ。

上記のようなサイト構造とページ内要素が最適なのかどうかは判らない。しかし、法則性が判ればユーザは迷わない。
一方で良かれと思ってナビゲーションに(いい意味で)工夫を凝らしたり、ユーザビリティに配慮した結果、見慣れないサイト構造や見慣れないページ内要素になってしまうと、どれだけ素晴らしかろうと「見慣れない」という一事だけで、マジョリティユーザからは「使いにくい」という声が挙がったりする。前振りを思い出して欲しい。自分から「知らないものと接したい」と思っている場合を除けば、マジョリティユーザは「知らないものは好まない」のだ。

なのでマジョリティユーザの視点でweb標準化すべきなのは、技術的な事柄でもなければユーザビリティなどで「最適解を工夫すること」でもなく、「ほどほどの落しどころでいいから、とにかく同ジャンルのサイトは同じような構造、ページ内要素にすること」だ。JIS規格化するくらいの勢いで。見慣れれば1秒(あるいは1バイト)たりとも脳を使わずとも、サイト内でどんな情報がどこにあるか判るようにすることだ。そしてそれを実現するとしたら、それはwebディレクターの仕事だ。

創意工夫や情熱にあふれるwebディレクターにとっては、暗くて退屈な主張かもしれない。けれども、webは大多数のユーザから、そんなに面白くもなければ興味深くもないと思われていることは、常に憶えておいた方がいい。そこに載っているコンテンツそのものは別だが。

余談。そういえば、コンシューマゲームはジャンルごとにメーカーやタイトルの枠を超えて操作性がほぼ統一されている。下手に操作性を向上させようとして、結果的に「判りづらい」とされることもあるが、あれだって本当に判りづらいのか、ただ見慣れないから判りづらいとされているのか。
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