泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

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livedoorディレクターBlogにこんな記事があった。

人の気を惹くクリエイティブ(ライティング編)
http://blog.livedoor.jp/ld_directors/archives/50718740.html


ライティング編ということは今後も続くのだろう。楽しみに待っていたい。
それはさておき、上記記事で気になる点があった。平易に書いてくれているためだろうけれど、クリエイティブの「二つの役割」をごっちゃにしているような印象があった。たとえば前段で

ウェブサイトにおけるクリエイティブの意義とは、一にも二にも「人の目を惹く」……「惹き付ける」、言わば「捕える」ことだと思います。

と書きつつ、後段で

もちろん、記事内容をわかりやすく伝えるばかりがクリエイティブではありません。

と書いているのだ。「人の目を惹く」ことと「記事内容をわかりやすく伝える」こととが別物だということの説明がされていない。

別に瑣末なことを取り上げて難癖をつけようというわけではない。たいてい上記ブログの読者にとってはクリエイティブの二つの役割などは自明のことだろうから、問題はないと思う。本題はライティングにおけるクリエイティブなわけだし。

とはいえ、なんとなくすっきりしないので整理してみる。この記事は引用した記事の訂正や反論ではなく、補足だと思ってもらいたい。あるいは、冗長に書き直したものとでも。

クリエイティブの二つの役割

webサイトのクリエイティブには二つの役割がある。「装飾」と「情報伝達」だ。
・装飾
「人の目を惹く」ための役割。サイトそのものや内容の雰囲気作り、イメージ形成といった役割も持つ。

・情報伝達
「記事内容をわかりやすく伝える」ための役割。内容だけでなく、ナビゲーションや導線設計を助ける役割も持つ。
それぞれの要素は不可分であり、そのバランスが大切になる。装飾に重点を置きすぎると閲覧性が損なわれやすいし、情報伝達に重点を置きすぎると無味乾燥で素っ気無い印象を閲覧者に与えてしまう。
そのためサイトやページの性質に合わせて、どちらの役割の比重を増すかが重要になってくる。エンタメサイトやブランディングサイトなら、多少の閲覧性を犠牲にしても装飾を優先させた方がいい場合もあるし、会社概要のページなどでは装飾を廃して可能な限り閲覧性を優先させた方がいい場合もある。

上記記事ではライティングにおける「クリエイティブ」が「キャッチコピー」とほぼ同義であり、文字数に拘束されているけれど、それがwebならではの強みにもなる。という趣旨のことを書いている。ここでも二つの役割がごっちゃになっているような気がするが、これも解りやすくするためにあえて細かい点は省いたのだと好意的に解釈したい。

キャッチコピーやメニュー周りの文言を「クリエイティブ」とするなら、そこにもやはり二つの役割がある。上記記事で「ティザー」とされている「思わせぶりな言葉」は「装飾」寄りで、メニュー周りの文言などは「情報伝達」寄りだ。グラナビやローカルナビのといったメニュー周りの文言が思わせぶりで、飛び先が何のページか判らなければユーザは不便に感じてサイトから出て行くだろう。逆に、特定のページにテキストリンクからユーザをアクセスさせたい場合、文言が無味乾燥で明瞭だと興味を持ってもらえなかったりする。適度にあいまいで、思わせぶりだったり面白そうだったりする必要がある。

どちらの役割でも、しばしば文字数制限という拘束がある。文字が画像化されていれば多少の融通が利くこともあるが、ここでは画像化されていないプレーンテキストのみを対象とする。

この拘束により大きく影響されるのは装飾寄りのテキストだろう。情報伝達寄りのテキストも限られた文字数で、いかに簡潔かつ正確に情報を記述するかという難しさはあるが、装飾よりほど導かれる答えが多様ではないのでまだ考えやすい。

装飾寄りのテキストはとにかく人目を惹き、場合によっては張られたリンクをクリックさせることが目的だ。そのための選択肢は無限にある。ただ、文字数制限があるので、その選択肢はしばしば、非常に限られてしまう。
いくら装飾寄りのテキストでも、指し示す内容と全く違うと詐欺である。とはいえ、指し示す内容に沿うとあまり「思わせぶり」にする余地がなかったりする。[*1]

こうした状況でテキストを考えるには、まず長さを気にせずに書いてみて、そこから文字数制限に収まるよう、削れるところを削っていく作業が効率的だ。
ところがこれも難しい点があって、すぐに「意味喪失」が発生する。装飾寄りのテキストから指し示す内容が判らなくなったり、そもそも日本語として成立しなくなったりするのだ。
たとえば13文字で「高速道路でトラックが転倒。牛が大量に逃げ出して中央分離帯の草を食べに殺到。反対車線のトラックが牛の驚き転倒して、積荷のマツタケが散乱。牛に全部食べられてしまった」という記事へ誘導する場合を考えてみる。

「高速道路でトラックが転倒」これだけで12文字だ。でも、これでは興味を持ってもらえそうにない。そこで
「トラック転倒で牛が脱走。他のトラックの積荷のマツタケが食べられた」としてみる。32文字。
「トラックから牛が脱走」10文字だが面白くない。マツタケはどこへ行ったんだマツタケは。
「牛脱走別の積荷マツタケ食す」13文字だが、読んだ人から「日本語でおk」と言われそうだ。これが意味消失。
「脱走牛がマツタケを襲撃!」12文字だが、記事内容から遠すぎる。脱走牛というのも意味が取りづらい。これも意味消失。
ちなみに、こんなことを繰り返して「なんでマツタケがカタカナなんだよ!」などと思っているうちに、だいたい「牛脱走で積荷のマツタケ全滅」みたいなことになる。これで13文字。

もっと意味消失を招きやすいのが固有名詞の長いものが出てくる場合。たとえば「スターウォーズ・エピソードIIIが動物愛護団体に賞賛される」という記事だったら、「スターウォーズ・エピソードIII」だけで14.5文字だ。仮に「スターウォーズEP3」としても8.5文字。「動物愛護団体」と足すだけで14.5文字だ。苦し紛れに「SW EP3」と書くと意味消失。「改名しろよ!改名!」などと思っているうち、「動物愛護団体があのSFを賞賛」とかになる。13文字。これでも意味消失寸前だ。「動物愛護団体があのSF映画を賞賛」だと判りやすいが15文字。とかく文字数制限というものは微妙に足りないのだ。

というわけで、装飾寄りのテキストを考える人は日々、文字数制限と意味喪失の狭間で泣いたり笑ったりしているのだ。一方、情報伝達寄りのテキストでは、牛とマツタケの話もスターウォーズの話も「新着ニュース」(6文字)となる。

「企画の苦手なwebディレクター」の話はまた今度。


  1. なぜかたいてい、1~2文字分のスペースが足りない。[↩back]


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