泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
どういう営業の手違いからか、一時期、前の職場の部署に回ってきた案件がほぼ全てコンペ案件だったことがある。限られた時間内で最大限の準備。コンペは非常にwebディレクターの時間が取られる。提案日は数日おきで重なっている。他のコンペじゃない新規の案件は入れられなくなった。

常勝不敗ならそれでもいいのだろうが、なかなか勝てない。その期の売り上げは激減した。根拠はないが、並みの勝率だとコンペ案件ばかりでは、あっというまにコストが回収できなくなる気がする。

コンペに勝つことを想定して空けておいたスケジュールはスカスカになったが、みなすぐには仕事を入れる気になれないくらい力が抜けてしまった。まあ、入れる気になれないだけで、それでも仕事はあるわけだが。コンペに勝った案件もあるし。

さて、コンペというのは通常案件よりもずっと短期間で入念にクライアントについての情報を集め、人材をアサインし、見積りを立てスケジューリングをし、企画をしてデザインカンプを最低でもTOPページだけは数案出してもらい、全てを提案書にまとめる。同時進行でしがらみとか政治的な思惑とか営業への怨嗟などから回避し続ける。web制作においてwebディレクターが行うべきプリプロダクションの全てを凝縮したような作業だ。それはwebディレクターを鍛えるが、すり減らしもする。

コンペが終わる。結果が来る。コンペ案件を多く抱えていて負け越せば、あとには「コンペバブルが弾けた」ような空白が精神的にも業務負荷的にも待っている。勝てば、たいていは仕切りなおしでヒアリングからプリプロダクションを始める。コンペ時の提案内容は、たいていそのままでは使えない。

負けてしばらく経つと、webディレクターはそのときのこと思い出しもしなくなる。次々に仕事はやってくるものだし、反省と教訓を引き出せばとりあえず負けた案件に用はない。しかし、ふと思い出す。「そういえば、あの案件の想定s-in日は過ぎてるな」。そこでwebディレクターはクライアントのサイトへアクセスする。

コンペ対象だったサイトを見て、打ちのめされることもある。これでは負けるのも無理はない、と。そこから学べることもある。なんでこんな提案に負けたのか?そう思うときもある。そこからも学べることがある。提案内容が全てではないことなどを。

上記はどちらも、失敗や敗北から学ぶという態度だ。それはそれで有益だけれど、負けたという思いが晴れるわけではない。しかし、負けたという思いが晴れる、負けてよかったとさえ思えるときがある。

クライアントに提示された想定s-in日から何ヶ月も経っているのに、s-inされていないときだ。こういう場合、高確率でその案件は超難航しているか立ち消えているか、だ。こちらに勝ったコンペティターが置かれているであろう「終わりの見えない閉塞感」や「コンペで勝ち取った案件が霧消した徒労感」を想像すると、少しは溜飲が下がる。

確かにこれは悪趣味だ。けれども短期間で最大限に協力してくれた人たちのことを思えば、勝った相手にそんな悪趣味なことを思うくらいの悔しさを感じていてもバチは当たらないだろう。実際には負けたのが自分の力不足のせいだとしても。
スポンサーサイト

コメントの投稿 ※管理者の承認制です












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://hamkatsuya.blog104.fc2.com/tb.php/36-23b94a9f

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。