泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

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今やiPhoneはモバイルビジネスを考える上で無視できない存在とかいう話も目にするけれど、今のところ無視してても何ら痛痒を感じていない。きっとあとで泣きを見るんだろうなあ…。とかいう殊勝な態度はまあいいとして。

もし今後スマートフォンがケータイのスタンダードになったら? ということを考えてみたい。どういうシナリオでそうなるかはさておき余興として。勘違いしている部分も多いと思うのだけれど、ご笑覧ください。

さてさて、当座の枠組みとしてiPhone、Android系&その他というざっくりとした分け方を頭の隅において、同じコンテンツのキャリアごとの呼び名の違いは忘れてください。

・情報コンテンツ
基本的にPCで見られる情報はPCと同じサイトで見られるので、だいたいが手離れor無価値になる。それを避けるならスマートフォン以外でアクセスできないサイトなりコーナーなりをわざわざ作って、PCでは閲覧できない情報を掲載するという非現実的な話になる。その分のコンテンツ調達費なりケータイサイト向けにページを作るコストは減るけど、客寄せやにぎやかしにこうしたコンテンツが使えなくなる。PCは無料、ケータイでは有料とかやってた商売は成り立たなくなる。

他のコンテンツの販促としてこうした情報を使ってた場合も影響がある。
あるミュージシャンがいて、PCとケータイで公式サイトがあるとする。ケータイサイトのほうはニュースやらなんやらからモバイル向けコンテンツへのリンクを貼って、商品販売の誘導口にしていたとする。また、サイトのメインメニューにも「着うたフル」だの「きせかえ」だののケータイ専用コンテンツが並んでいたとしよう。
情報部分はPCサイトに統合されるので、従来的な販促をするにはPCサイト側へそれを組み入れてもらうことになる。メニュー類などは大幅な変更が必要になるだろう(スマートフォンが主流になってそうしたケータイ専用コンテンツがどうなるかは後述)。ユーザが何でアクセスしているかを見て、メニューやら関連情報の表示内容をPC向けとスマートフォン向けで変える、という形になるかもしれない。

同じ会社なり部署なりが一括して両方を運用しているならいいが、違う部署や会社だった場合はPCを手がけている方に「お願いして」やってもらうことになる。違う会社だったらケータイ版を運営してた会社は1案件失注する。

・待受/Flash待受
成り立たなくなる。今のスマートフォンでは画面にアプリやらなんやらがガジェットとして並ぶので、待受の絵はあまり見えず、Flash待受は動くとも思えない。iPhoneだとロック状態の画面に待受が表示されるが、なんにせよ価値の低下、販売の成り立たなさは避けられない。

実際の待受としての役割以外、たとえば好きなグラビアアイドルの画像コレクション、といったような「コレクション」目的での価値も低下する。スマートフォンだと「2ch画像スレまとめ」みたいな場所から無料で溢れるほどDLできるし、今のケータイ向けにもそうしたサイトがあるものの、もっと増えて目立ちやすくなると思う。従来はPC向け画像のまとめばかり作っているそうしたサイトの管理人も、スマートフォン向けのまとめを増やすだろうし、まとめられる側でもそうした画像が増えるだろう。

・デコメ/デコメ絵文字
まあ今でも斜陽だけれど。これもHTMLメールのテンプレって感じで今のキャリアごとの差分による分断は避けられるかもしれないが、ますます売れなくなるだろうなあ。っていうか、iPhoneとかAndroid系ってHTMLメールってどういうふうに対応してるんだろうか。あと、デコメ絵文字については個人でPCサイト用の素材を制作、配布しているサイトなんかが自分らの作ってるアイキャッチ用のGIFアニメとデコメ絵文字が同じって事に気付いて、張り切って無料で投入してくるんじゃなかろうか。PC用と同じでいいなら、デコメテンプレートなんかも今より簡単に作れそうって気になって(まあ、今でも難しくはないが)個人で作って配布するサイトが増えるんだろうなあ。そうなると高品質を謳ってもなんでも、商売としては成り立たないだろう。

・マチキャラ
どっかいく。

・きせかえ
どっかいく。今のケータイでさえ「作る場所多い」「機種対応面倒」とかでなかなか採算合わないのに、スマートフォン向けの作ろうと思ったら可能であっても今より高コストだろうし、端末なりOSなりの提供元がサポートして呼び込まない限りコストアップでますます商売としては難しいんじゃなかろうか。PCの例で行くとwindows向けのカスタマイズテーマ作って売ろうって発想に近い感じでさあ、大変よ? しかも今のところスマートフォンだとそんなにカスタマイズテーマっつっても、いじれる部分って多くなさげだし。

・ムービー
今でも従来的なケータイ向けのyoutubeとかニコニコ動画とかあるけど、スマートフォンがスタンダードになったらもうPCと同じ感じになるんじゃないか。あと、もっとスマートフォンの方が進歩してだいたいの動画サイトでユーザ側が特に何の意識もなく動画を楽しめるようになると、既存のPCでの有料動画配信サイトと同じになってビジネス的にはなかなか厳しい。というか、いま思い立って試しにiPhoneでveohにアクセスしてみて頭もげた。動でもやりたきゃ「スマートフォン限定!」とかでやっぱりPCからのアクセス弾いて、他にはない動画を出すとかしてまあ気休めみたいなもんだ。

・音声関係
webラジオはPCのをそのまま聴く。楽曲のDL販売は着うたとか、普通の楽曲販売とかの境目はなくなるだろう。PCとケータイ向けの境目も。iPhoneだとiTunesから売るしかないよな。Androidとかその他だとまあ売れるか。ドワンゴとかがPC&スマートフォン(iPhone以外)用の楽曲販売なんかでがんばるのかな。それ以外でも今ケータイ向けに楽曲販売しているみなさんは戦場をPC&スマートフォン(iPhone以外)用に移して殺しあう感じで。

・電子書籍
現状のケータイ向け電子書籍は売上げのほとんどがエロとBLのコミックで主な利用者はあまり読書をしない人って感じなんだが、この傾向はスマートフォンでも一緒になるだろうか。kindleとかリブリカとかで電子出版ががんばって実際の書籍と売上げ構成が似てきたら別だが、その辺の流れはどうなるだろう。
変わらずエロとBLのコミックが売上げの主流だった場合、現在では出版社があちこちのケータイコミックサイトに作品を卸して売上げを得ているわけだが、スマートフォンがスタンダードになると音楽と同様、戦場をPC&スマートフォン(iPhone以外)用に移して、今までのケータイよりもコピーされやすい環境であれとかあれとかする。もしくはスマートフォン以外のアクセスを弾きつつあれとかあれとかする。
今のケータイのままでもそうなるだろうが、販売サイトは淘汰されて販路は減る。ゲーム機やkindleなんかでの販売によって増える販路もあるだろうけど。電子書籍の市場規模が増えて、エロとBLのコミックが売上げの柱という状況を脱さないとなんであれ先行きは微妙。

・アプリ
ツールとゲームに分ける。なんだろう。Vectorとかが売るようになるのかな。あとメーカーのDL販売とか。iPhoneについてはAppストアという超過密状態の戦場でがんばる。従来のケータイよりも「個人が作って無料配布」が増えるだろうから、そうした無料の相手たちとも今まで以上に戦っていかなきゃならない。

iPhoneのゲームはクソみたいなのもいっぱい、という話だが、ケータイゲームの方は平均がそれを下回る勢いなので、そのままスマートフォンに持ってったらアラが目立ってエラいことに。
というわけで、内容なり映像なりのクオリティアップを余儀なくされそう。そうなると自社開発はやや事情が違うかもしれないが、外注に出してる所は制作費がアップする。かといって値段は2倍も3倍もアップできないだろう。国内だけを相手にすると今のケータイユーザ相手と市場規模が大きく変わらないわけだが、まともに海外相手にするとライバルも世界規模の数になる。ローカライズの手間も掛かる。英語化したり、海外の法律的にどうかとかのコストも増える。

あと、Flashがちゃんと動くようになったら既存のPC向け無料Flashゲームとがっつりぶつかり合う。

・EC
PCとケータイの両面展開の場合はケータイ版を廃止。ケータイだけの場合は今まで以上にPC向けのライバル店舗とガッツリぶつかっていく。スマートフォンがスタンダードになったら今までPCでしか展開してなかったECサイトもライバルになる。

・アダルト
これもケータイのみだったところはECと同様、PCだけでやってた所がライバルに。



とまあ、こんな感じか。他にもあれこれありそうだけど、長くなったし疲れた飽きた。

スマートフォンがスタンダードになればそれによって生まれる分野や伸びるジャンルも当然あるんだろうけれど、既存のケータイ専門ビジネス的にはこんな感じだろうか。1ユーザとしてはスマートフォンの未来は大いに楽しみでスタンダードになっても面白そうなんだけれど、まがりなりにも現在ケータイサイトのディレクションをしている身としては、ユーザと一部の胴元以外ほとんどのプレイヤーがジリ貧になりそうなビジョンとかカンベンして欲しい。自分でネガティブな面ばかり書いておいてアレだけど。

【余談】
にしても、こういう流れでたまに「変化に対応できない所は滅びるだけ」みたいな論調の話を書く人がいるけれど、滅びるかもしれない側だって実際は生い立ちがあって家族とか将来とか日々の生活がある一人の人間なので、その一人一人からすれば「はいそうですね仰るとおりです」と謝罪して死にたくはないわけで。とはいえみんながみんながんばれば生き延びられるというわけでもないので、実に世知辛い。

転職するとかするにしても、景気悪いしねえ。能力や人脈があれば転職できるから心配ないっつっても、それらが「ある人」の側に入れない人が大多数なわけで、だからそれらが価値を持つわけで。その大多数に含まれる自分としても「はいそうですね」でおとなしく職を失いたくはない。なんだかんだで生きてるし。じゃあどうにかしろよと言われそうだが、それができればそもそもこんなことを思い煩ってクヨクヨしたりしない。いやまあ、根が馬鹿なのでそんなクヨクヨしてないけど。
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