泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

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マンガ「Web担当者 三ノ宮純二」
というのを読んだ。今ひとつ実績の上がらない入社8年目のWeb担当者である主人公が上司に最後通牒を突きつけられ、アシスタントになった後輩の女の子とどうにか1ヶ月以内で苦境を脱するという話。脱するための方策としては、購入履歴を元にかつてサイトでモノを買ったことのあるユーザに対しDMを送るという手段が取られている。
今回が第1話なので、今後も続くのだろう。

で、この漫画について細かく読み込んでみよう。意味はない。面倒な人は最後の方まで読み飛ばしてください。


まず試みに、DM作戦が成功した3週目の報告から、そのままいった場合の月間売り上げと利益の予測をしてみる。

ええ、と。1P目で月平均として「売り上げ100万×粗利率50%=売り上げ利益50万円-外注費25万=利益25万」ここで最後の25万からカレの給料35万を引いて「これだけで10万円赤字じゃないか」という旨の話をする。

5P目では「売り上げ2倍に」という報告に対し上司が「粗利25万×2=50万」という計算をしている。そこから月給を引いて「15万円」で赤字ではなくなった、と。最初に「利益-給与」で赤字だといっていたので、次に「粗利-給与」と計算しているということは、ここで言う粗利とは1P目の「利益25万」を意味するのだろう。同じ額だし。

ということは、売り上げ2倍で利益も2倍なので(外注費が変わらないとして)全体では
「売り上げ200万×粗利率X%=売り上げ利益75万円-外注費25万=利益50万」になるはず、かな?
すると粗利率は37.5%になる。粗利率が下がったのはDMの費用を計上したから、だろうか。

3週目でこれなので、月間の予測利益は(粗利率が変わらなければ)50万×約3分の4で約75万円になる。給料の3倍稼げ!といわれていたので、その目標額は35万×3=105万。残念!このままでは足りない!ただ、黒字化したらしいので失敗とはされないかも。ギリギリ合格、みたいな。

あと、給与を利益から引いているから、粗利率の元になってる金額には販売管理費は含まれてないか、販売管理費から人件費だけ外しているかしているんだろう。まあ、読みやすさのために厳密さをさておくのは悪いこっちゃない。

で、DMで幾らくらいの効果があったのかもついでに。
3週目ということは通常なら約75万円の売り上げになっているはず。それが200万円なので、135万円いつもより多い。DMを思いついたときに「残り2週間」と言っていたので、DM制作からユーザがそれを見て購入するまで1週間以内。がんばっても1日か2日の間でユーザが「DM受け取り→購入」という行動を起こしたことになる。1週間の売り上げが約25万なので、1日の売り上げが約3.6万。2日間なら本来は平均して約7.2万の売り上げだから、だいたい107.8万がDM効果。1日辺りの売り上げが15倍くらいになっている。おお!いいなあ。すべてのユーザが即日アクションするわけでもないだろうから、効果は漸減するにしてもこりゃ105万とかあっさり超えるかも知れんなあ、おい。

まあ普段こういう計算をあまりしないので、どっかが致命的に間違っているかも。

作話の都合で成功したということになっているが、実際DMはそうそう読んでもらえるものじゃない。主人公は

「IT情報」って便利だけど無視しやすいのかなって
でもハガキって「モノ」だから手にしたら、一度は必ず読んでもらえる

という仮定に賭けたらしい。個人的にこの判断はちょっとどうかと思う。

郵便受けから出すとき「物理的に」手にとってもらえるのは確かだが、たいていはDMだと認識された時点で読んでもらえず捨てられる。数年前は普通にそういう論調を見かけたものだけれど、それが間違っていたか事情が変わったかしたのかもしれないけど。
それとDMだと、たいていの人には読んでもらった後で記載されたURLを入力するなり検索でサイト名を探すなりしてもらう、という「離脱率上昇ポイント」がある。ヘタすると「実店舗へ行く」より面倒臭く感じる人さえ居るだろう。

ただし、主人公たちの売り上げのほとんど、あるいはすべてがモバイルサイトだったら話は違う。QRコードを記載しておいてバーコードリーダーで読んでもらうのであれば「離脱率上昇」はかなり抑制される。

実際、そう思わせるフシはある。4P目で後輩の女の子が

メールがピロピロ仕事中に来るとうっとうしいじゃないですか

と言っているのだ。彼女が基本的にプライベートでも会社のメアドを登録しているのでなければ、「ピロピロ仕事中に」メールが届くのは携帯のはずだ。自然とそういう言葉が出てきた背景には、彼女が普段利用しているのがモバイルサイトで、会社で展開しているのも主にモバイルサイトだから、という点が考えられるのではないか。そう考えると「ピロピロ」とは着信音じゃないのかとさえ思える。

まあ、モバイルメルマガならDMより低コストで「読んでもらえる率」は同程度かもしれないけれど、既にメルマガは発行済みで、購読してないユーザが多いならDMの方が送れる対象者は多いかもしれない。たぶんDMの郵送を希望するかどうか今まで尋ねてこなかっただろうから。

懸念点としては『利用規約』なり『個人情報保護方針』なりで、「登録住所へDMを送ることがある」と書いてあるかどうか。書いてないならグレーだけど、「登録住所の情報は賞品発送以外に使用しない」とか書いてたらアウトだ。まあ、作中で描写されてないけど問題なかったんだろう。

それと、DM送るのってあまり頻繁に出来ないだろう気はする。送ってもいいけど、効果は急速に薄れるだろう。アパレルで4半期に1度、それ以外でもせいぜい半期に一度くらいが限度じゃないか?

こうやって見ていくと、読みやすさのためにある程度の簡略化が見られるものの、それなりに辻褄が合うものだなあ。

ああ、この漫画は「DMを出してみよう!」という話ではもちろんない。まとめとしては「ホームページで売上を立てるためには「ネット内」の手法だけで考えるのではなく、もっと広いアプローチ手段を探ろう」ということだそうです。それ自体は「まあ、そうだよね」という話でどうこう言うようなものでもない。

このままでは本当に意味もなく「Web担当者 三ノ宮純二」を見つめただけで終わってしまう。

えっと…web担当者がDMを送りたいのなら、以下の点に注意しよう!

・モバイルサイトをやってないなら止めた方がいい
・モバイルサイトでも期待はしない方がいい「上手く行ったら儲けもの」くらいで
・1ヶ月くらいの頻度で実施できるものではない。せいぜい半期に一度くらい
・DMを送っても規約類との関係で問題にならないか必ず確認する
・1週間以内に「制作~発送→ユーザのアクション」まで行くのは無理
・DM送付で1日の売り上げが15倍になったりはしない

以上。
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