泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

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日頃から自分の実力も省みず「スカしたこと言ってんちゃうぞ!」というようなことを非常にオブラートに包まれた言い方で書いている当ブログですが、「広い意味で」似たような方向性で書かれ、全面的にではないものの、共感できる記事を読んだ。

MarkupDancing
ウェブ業界はどこを向いているのか・その1
ウェブ業界はどこを向いているのか・その2
ウェブ業界はどこを向いているのか・その3

興味がある人は読んでください。けっこう長めの記事だし、「おもてなし」とか仕事でもなきゃする気はないので、特に要約はしない。ウチは旅館じゃねえ。まあ、気が利かないだけとも言う。

ともあれ、そういうわけで以下に述べる話には上記記事からの引用がアチコチ出てくるけど「話の取っ掛かり」として引っ張ってきているだけで、必ずしも上記記事中の論旨などとは関係しない場合も多いので、その点は踏まえて欲しい。

自分にとっては実に頭と耳の痛い記事で、特に「その2」は自分がずっと悩んでいる部分でもある。ちなみに1は共感できる部分。3は「そういうものか」という部分。

で、だ。見苦しい言い訳を交えつつ、つらつらと考えたことなど。

いったいどれほどのウェブ制作プロダクションや開発会社が、ウェブサイトを顧客企業の事業計画の中に正しく位置づけて戦略的に設計できたり、顧客のヒューマンリソースを有効にディレクションしたり、サイト運営の経験を蓄積しているというのでしょうか

という点なのだが、確かにこれは難しい。超むずかしいな。だいたいそんなもん、他の業界でも簡単にほいほいお金取れるだけの水準で出来るわけでもないだろう。というくらいの難易度であるが、それをやったとしてクライアントが相応の対価を払ってくれるかというと、そうでもない。中小企業とかだと、払う気があっても払えない、というクライアントもいる。相応の対価がもらえないのに、そういう人を雇っておくためにはそれなりの環境と報酬を用意する必要がある。他業種以上にそうした人材は希少なのだから、他業種以上の好条件でないと需給的に無理がある。そして、それは資本体力のない中小web制作会社では無理な話である。というか、そんなことのできる人材はそれなりの制作会社などに行ってしまうだろう。もっとも、この相応の対価という点では「卵が先か鶏が先か」で、クライアントがその価値を認めるのが先なのか、制作会社がクライアントにその価値を認めるよう実績を出して見せるのが先なのか(これについては後述する)。また、責任の問題もある。制作会社がその際との戦略や事業そのものに深く関わるのであれば、それなりに責任も発生する。クライアントはその責任を制作会社と案分する気はあるのか?制作会社は案分された責任を引き受けられるのか?そう考えると、制作会社がそのリスクを負うのは難しいだろう。

自社でそうした能力のある人を育てる必要はあるだろう。しかし、

多くのウェブ制作プロダクションや受託開発会社に、ウェブサイトの戦略的な位置づけや、長期的な運用体制と手順を提案する力が根本的に欠けていると思える理由は、彼ら自身が自社でウェブサイトを業務として適切に運用し成功させた試しがなく、それゆえウェブサイトを「作って公開」することしかできないからだと言えます。

というのはアリなのだが難しいかもしれない。ちょっとつまづけば終わりという足元ヨロヨロな制作会社だと受託をやりつつ自社で事業を起こしてみる余裕がない、というのが言い訳ではなくわりと事実としてあるケースも多い。そんなのは座して死を待てというのも正論ではありつつ、当事者ならば「はいそうですか」と素直には言えないこともあるだろう。じゃあどうするか。どうにもしようがないのである。良し悪しで言えば「悪し」なのだが、私程度では具体的にどうすればいいか思いつけない部分だ。まあ、私にどうこう出来そうな話なら、とうにどうにかなっている。

で、上記記事ではweb制作業者が「立ち上げ」を主としていて「運用」がまともにできない原因を内的要因と外的要因から述べている。ここで言う運用とは、たんなるページの更新とかコンテンツの更新とか、そういう話ではないだろう。で、その理由というのは概ね賛同できるのだけれど、制作側から見ると、さらに4つの要因がある。

・資金的な問題
→前に書いたと思うのだけれど、運用業務はある程度の期間、安定した売り上げが見込める。ただし資本体力のない、それこそ「日銭を稼ぐ」ような会社が多いこの業界では、いきおい短期的な実入りが多い立ち上げ業務に人材が多く割かれるのは、それはそれで不自然な流れでもない。いいか悪いかは別として。

・発注がない
→ナショナルクライアント級とまではいかないまでも、大きな企業でなければサイト立ち上げで予算が一旦尽きてしまうケースも多い。その場合、どのような意味であれ「運用業務」は自社内で賄うしかない。ということで、発注されないケースも多いのだと思う。まあ、運用の必要性を最初から認識しているクライアント側担当者が少ないというのもあるだろうけど。あと、ディレクターなんかがちょっと気の利く人で、それこそ「長期的な運用体制と手順を提案する力」があると、リリース後の普通のサイト更新業務はクライアント側で対応可能で、いわゆる「手離れ」を起こしたりする。

・情報がない
→効果的な提案をするにはアクセス状況などなど様々なデータがないと難しい。そのためにはクライアント側でそのデータを把握していて、なおかつそれを制作側に開示してもらわなければならない。使い物になるデータをちゃんと持っているクライアントは少し前まで僅かだったし、今でも必ずどこにでもあるというわけではない。おまけに、それを開示してもいいとクライアントが思うだけの関係が双方に築けていないと無理だろう。これは「守秘義務契約書」を一枚交わせば済んだりもするけど。

・余裕がない
→たとえ制作会社側の担当者にやる気があったとしても、発注された以上の運用業務に踏み込んで効果的な提案をするだけの余裕がない場合も多い。

この3番目は特に企業としてweb制作をやっていると、いかんともしがたいジレンマを生む。さきほど「後述する」と書いた事柄もここに関係する。
上記記事で

制作会社や開発会社は発注側の利益になるような行動を勝手にとったりはしない

ということが書いてある。これはまさにそのとおりで、クライアントはしばしばそれを求めるものの、制作側としてはそんな時間的・人的な余裕はない。だいたいコチラが気を利かしてそうした行動をとってしまえば「そういうのは普通のサービス範囲内としてやってくれるものだ」と認識されかねないし、もっと酷いクライアントなら「勝手にやってくれてラッキー」くらいにしか思わないだろう。「そのおかげでコレコレの成果が出ましたので、成功報酬を出しましょう」と申し出てくれるクライアントなんて、先にそういう条件で契約を交わしていたのでもない限り、存在しないのだ。
もちろん、手がけたサイトは成功して欲しい。これも前にも書いた気がするが、それでクライアントの収益が10倍化したとしても、こちらの収益は10倍化しないのだ。若干増えたとしても、それで収支として見合うかといえば必ずしもそうとは言えない。

上に引用した文章の少し後で

社員個人がそのようなサービスを勝手に提供しているなら、会社の業務工数を勝手に非生産業務へ振り分けているのですから、その社員は労務規約違反を犯していると言えます。

という記述がある。労務規約違反とまでは考えてなかったが、つまりはそういうことで、1円にもならないサービスをクライアントへ「勝手に」提供している場合、それは会社からすれば損失をもたらす行動だろう。結果的にそれが何かいいことへつながったとしても、それまでは損失をもたらしているだけだ。(この点、フリーランスはもっと融通が利く。いい面悪い面あるけど)

とはいえ、それではいつまでたってもクライアントにこちらからの積極的な提案や踏み込んだ立案を体験し、評価してもらうことが出来ない。というわけで卵が先か鶏が先かなのだけれど、考えてみればそれはもうコンサルの領域であって、基本的に制作での領域ではないよなあ。まあ、これは上記記事でも

業務請負契約は奴隷契約でもコンサルタント契約でもありません。制作会社の方から何かを提案してもらいたければそのように契約すべきです。

とあるように、要は「どういう契約か?」に集約する話ではある。

とまあ、ことほど左様に書けば書くほど混迷してきた感があるけれど、結局まあ、アレだ。みんなその期その期を乗り切るのに精一杯で、それ以上の取り組みはいろんな意味で簡単じゃないね、ということで。
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