泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

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サイトの制作をしていると、だいたい念頭におくべきユーザはネット初心者だ。とにかくそういった人でも判るようなUIや言い回し、導線などが必要になる。初心者でもストレスなく見て回れるなら、それより上のレベルの人でも問題ない。クライアントがネットに詳しくなくても、理解してもらえる。

ただ、自分がインターネット好きで新しモノ好きだと、それがための対処を負担に感じることもある。「それじゃ判らない」と言われ「そこからか?そこから説明しないとダメか?」と、ついつい思ってしまうときもある。が、冷静に考えればその方がいい場合というのも確かにある。

で、そういうことが続くと「使いやすいにしても、初心者を念頭に置かなくていいサイトを作りたい」と夢想してみたりする。

ただまあ、そこにはそれなりの問題があるわけで。はてなの近藤さんは

一日中ネットに張り付いているような人たちが、新しいネタやサービスを追いかけ続けているその後ろに、置いてきぼりにされた大集団、みたいなものがあって、実はそちらがマジョリティなのだ、という現在の構図がようやく最近実感としてつかめてきた気がする。
うさんくさい」より

なんて書いている。

多くのイノベーションが、流行に敏感なアーリーアダプターによって発見され、拡大していくのは常であるし、先端的なユーザーに人気があること自体は非常に良い事だ。ここを欠いてはいけないのはもちろんだが、問題はそこから、そこから1000万人、1億人に届くものを作ろうという気持ちを忘れてしまわないようにしたい。
たこつぼ」より

とも。最初の方の「実感」が今までなかったという部分には驚くけれど、まあこれは書き方のためで、実際には前から「理解」はしていたんだろう。

で、だ。仕事でサイトを作る場合、たいてい一部の先端的なユーザからばっかり愛され、アクセスされていても仕方ない。明確に特定のターゲットを狙ったサイトでもない限り、「1000万人、1億人に届くもの」とまでは行かなくても「1万人、10万人に届くもの」だといいな、という辺りがある。要するにマジョリティユーザに受け入れられ、アクセスされるものだ。これを忘れていられるのはよほどの幸せ者か認識不足か、だ。

そういう観点に限定すると、はてなはビジネスとしてはあんまり幸福じゃない。もし近藤さんたちが「1000万人、1億人に届くもの」と思っても、そうは問屋が卸さない。その辺については前に一度、「CGMに関する漠然とした予感」として書いている。

ともかくも、はてなみたいに初心者でも(実は)使いやすそうなUIで初心者を無視する気ゼロの心がけでいてさえ、メインユーザが先端的だとサイトやサービスは袋小路にはまる。ましてや、最初から初心者を念頭におかず企画されたサイトたるや…。それに、そういうユーザを魅了し続けるのは本当に大変だ。それにあいつらってほら、忠誠心が猫並だろ?

とはいえ少なくとも、大多数のweb制作者にとって、近藤さんが(引用部分以外にも)上の記事で書いたような悩みを持つ機会はない。言ってみれば無関係だ。そこから自分の身になるものは恐ろしく少ない。

似たような理由から、UNIQLO.comなどを手掛けられた中村勇吾さんについても、その言動や考え、悩みについて読むのは気晴らし以上の意味がないかもしれない、という気がしている。せいぜい自己啓発的な意味くらいか。

確かにああいう人について書かれているものを読んだり観たりするのは、人によってはヤル気を引き出す効能がある。だがじゃあ、実際に彼の悩みや考えが自分の身になるかと言えば、どうもそんな気がしない。

そもそも自分にとって彼の言っていることが実際に生きてくるには、まず彼と同じか、近いポジションに立つ必要があるんじゃないだろうか?それまでは上で書いた近藤さんの悩みのように、具体的な内容は自分からあまりに遠いんじゃないだろうか。

中村さんはきっと凄く優秀で、クリエイターとしても素晴らしい創造性を持っているんだろう。で、その彼の直面する課題(案件ごとであれ、ディレクターとしてであれ)が、自分にとって参考になるんだろうか?言葉の上では直面することもあるんだろうけれど、諸般の事情を見ていくと全然同じ課題とは言えないケースばっかりじゃなかろうか。

彼の言動に凄く詳しいわけじゃないので偏見かもしれないが、低予算(必要額に対してではなく、そもそもの絶対的な上限が低い)で、短納期で、制作スタッフが優秀だとしてもたぶん中村さんが接している人たちほどじゃなくて、その案件に関わらなければ知らなかっただろう中小企業がクライアントで…というお馴染みな状況に対して役に立つんだろうか?

たぶん、立たない。よく分からないがスケジュールの組み方だとか圧倒的に優位なクライアントとの交渉の仕方だとか、低予算での切り盛りの仕方だとか、そういった面で天才的かつ、そういう面での情報を発信してくれているのでもない限り。

きっとトップアスリートの言っていることが、具体的な中身としてはそこらの学生部員にとってあまり役立たないようなものなんだろう。

しかし、役に立たなくったっていいだろう、とも思う。そういう天辺にいる人たちはそれなりの孤独と苦悩を持ちつつ夢を与える存在であればいい。自分たちのようなそこから遥か下にいる人間は、ときどき空を見上げて「ああいう人もいるんだよなあ」くらいに思えればいい。参考や手本にするのではなく、ただ遠くにいるのを眺めるだけの存在。

というか、近藤さんにしろ中村さんにしろ、それぐらいの距離感と認識で眺めてないと逆に苛立ちやストレスの元だ。ああいう人たちと自分とを引き比べるのは不毛だ。

一日中ネットに張り付いているような人たちが、新しいネタやサービスを追いかけ続けているその後ろに、置いてきぼりにされた大集団、みたいなものがあって、実はそちらがマジョリティなのだ、という現在の構図がようやく最近実感としてつかめてきた気がする。

なんてことを自分が前の会社で先輩に言っていたら、嘲笑されるか呆れられるか、(言葉で)ぶん殴られるかだろう。自分が言われても「スカしてんちゃうぞ」と内心では思うだろうな。うん。

【追記】近藤さんの上記記事にトラバしようと思って、なんとなく不安になってやめた。やめた後で、「近藤さんにこんな内容でトラバすると面倒なことになりそう。ご本人が気にしなくても」と、それが本当かどうかはともかく(たぶんそんなことない)、思わずためらってしまったあたりに「はてな」の置かれた難しさがある。と、書くことで自分の気持ちの小ささと自意識過剰っぷりをひとまず誤魔化しておく。
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クライアントはほとんどが中小企業のWeb制作者の所感
中村勇吾さんというFlashのスーパークリエイターがいて、中村さんの言いに対して 泥臭いWEBの底から はてなの近藤さんの悩みが自分とは全然関係ない件(たぶん中村勇吾さんについても) 低予算(必要額に対してではなく、そもそもの絶対的な上限が低い)で、短納期で、制作

2008.04.24 18:45 | それ図解で。・・・tohokuaikiのチラシの裏

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