泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

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前回の記事の末尾で

次回はwebディレクターとしての視点から見た動画サイトの隆盛について書きたい。

と書いた。まずは前の記事の中身をまとめよう。そうしよう。うん。
えっと、ゲームにたとえると判り易いだろうか。
ゲームのシステムではたまに、「行動ポイント」という仕組みがある。プレイヤーはあらかじめこのポイントを持っていて、何かするごとにこのポイントが減る。行動ごとに消費ポイントが違うので、どの行動にどれだけポイントを割り振るか、ユーザは考えることになる。

これはもちろん、現実に何かすると時間が経つことをゲーム内で再現する試みだ。少なくとも、演出上は。なので当然、現実の世界で何時間も経つことをすると、行動ポイントの消費も大きい。

現在、あまたのwebサービスはこの行動ポイントを奪い合っている。相手は他サイトや他メディアやその他諸々。こうした中で睡眠や食事など、生存に欠かせないものはさほどこの競争に熱心にならなくて済む。
一方でwebサイトを始めテレビや音楽や、ともかく情報産業や娯楽産業はどこかの獲得行動ポイントが増えれば確実にどこかの獲得行動ポイントが減る。1日は24時間だから。

…これではゲーム内の行動ポイントにたとえる意味がないな。

ともあれそんな中、動画サイトの閲覧は基本的に消費する時間の単位が大きい。数十秒であれ、数十分であれ、ともかく「最小の1コンテンツ」[*1]を楽しむために消費する平均時間が他に比べて大きい。

もしwebで動画を見ることや、動画そのものに魅力がなければ、同じ時間でmixiのコミュニティに書き込むことや、カップラーメンを食べることに時間を振り分けてしまう。ところがそうなってはいない。ならばそれなりの魅力があるはずで、その魅力については他の人が描いてくれてるよね。

以上まとめ終わり。

で、webディレクターとしてこの状況を見た場合、ミクロなレベルではだいたいあまり影響しない。一方で、少しマクロな視点で見るとなんとも悩ましいことになる。特に必要性に駆られたユーザがメインではないサイトにおいて。こうしたサイトは、たとえば天気予報や乗換え、ECサイトと行動ポイント獲得競争で真正面から競合してはいない。というのも、電車の乗換えを調べる必要性や、天気を知る必要性と競争するってのは現実的ではないから。

一方で、そうした現実の必要性とたいして関係しないサイト同士は、この獲得競争において正面からぶつかる。動画サイトもここに含まれる。で、動画サイトは「最小の1コンテンツ」を楽しむための消費時間が長くなりがちということは、当然他のサイトを楽しむ時間が減る。ここでちょっと雰囲気を出すために時間計算をしてみよう。

ITmedia News:ネット利用時間のトップは韓国――アジアのネット利用調査」という記事によれば、2007年5月辞典の日本人のネット利用時間は月に19.2時間。一方で「japan.internet.com Webマーケティング - ニコ動、平均利用時間、平均訪問回数が YouTube を大きく上回る~ネットレイティングス」という記事によると、2007年8月のニコニコ動画の月間平均視聴時間は約3.2時間。ニコニコ動画が海外ユーザの利用もそこそこあるだろうことを考慮しなくても、6分の1弱の時間をユーザはニコニコ動画に突っ込んでいる(という試算がどうか合っていますように)。実に月のインターネット利用時間の約16.6%だ。

行動ポイント獲得競争の最大値は、「必要に駆られた」利用の取り分を差し引いた時間なので、上記の計算だと「19.2時間-3.2時間=16時間-必要に駆られた時間」ということなる。とにかく16時間よりは少ないだろう。月にということは、1日だと30分以下のインターネット利用時間を奪い合うことになる。

これはまあ例えなので実際の時間はもっと違うだろうけれど、決して大きなパイでないことは確かだ。

こうした中でディレクターがコンテンツの企画を考える場合、まず二つの方向性がある。
1:「最小の1コンテンツ」を楽しむために必要な時間が長いものを考える
2:「最小の1コンテンツ」を楽しむために必要な時間が短いものを考える

1の場合、1コンテンツを楽しむごとの、最大獲得可能ポイントに対する割合を増やそうという方向性だ。ただこの場合は魅力的でないとユーザが面倒臭くなったり、ほかの事に取り紛れているうちに離れていってしまったりする。
こうした手法でもっとも成功しているのがたぶんMMORPGで、webサイトとは若干違うけれど、成功すればユーザがネットをする時間の大半を注ぎ込んでくれるようになる。

2の場合は、1日のうちで細切れになった時間をユーザが注ぎ込んでくれることを期待する方向性だ。メリットは手軽さと、1ほど強い魅力がなくても成立する点。ピッタリのサイトというと難しいけれど、yahoo!ニュースとかだろうか。これはコンテンツの数や更新頻度が多くないとすぐに飽きられるし、アクセス数は稼げてもページ回遊率や滞在時間がなかなか増えない。まとまった時間を注ぎ込んでくれるユーザも、多くの時間を注ぎ込みようがない状態になってしまう。

もちろん、だいたいのサイトは1と2の間に分布している。ニコニコ動画だって最小の1コンテンツを楽しむのに必要な時間は長めだけれど、上記のデータを割ってみれば1日に5分。せいぜい1動画か2動画だ。逆にyahoo!ニュースは1記事を読む時間は1分程度だろうけれど、数が多いので5本も読めば5分になる。

というわけで、新規に企画を考える際にどうするかだけでなく、既存のコンテンツを分析する際にも「「最小の1コンテンツ」を楽しむために必要な時間がどれくらいか?」という視点から眺めてみると、これまでとはまた違ったものが見えてくる、といいなあ。

  1. 「最小の1コンテンツ」というのはブログなら1記事、動画サイトなら1動画、イラストサイトなら画像1枚、コミックサイトなら1ページだか1話ということになる。いま思いついた概念。[↩back]

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