泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

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最近、企画書や提案書を書く際に「合意形成がしやすい」という点を心がけている。あまりたいした工夫でもないんだけど、ちょっとしたポイントみたいなものでも書こうかと。

・合意形成の重要性
言うまでもないのだけれど、合意形成がなされないものというのはなかなか実現しない。「キミとボク」みたいな小さなユニットだけで完結するならともかく、複数の利害や方針が違う人たちを相手にするなら、それなりに合意形成ができないと「そうはいってもねぇ」「これじゃあ納得してもらえないよ」「ここはどうなってるの?」「そもそもこれは~」とかとか面倒なことになり、それを説得して回る労力が増えるし始動前に頓挫する可能性も高まる。この場合の合意形成に「実行の承認」も含め、「キミとボク」で“キミ”が上長ならそこでも合意形成は欠かせない。

「そんな事なかれ主義はダメだ!」「周囲から反発されるものの中からこそ新のイノベーションが生まれる!」「いまムーブメントを起こしているものは、どれも最初は周囲に理解されてなかった!」とか寝言を抜かす人もいるだろう。だがちょっと待って欲しい。ラーメン屋でうどんを注文して出てくるだろうか? うどんを食いたきゃよそへ行け。 これから書く話はむしろ、正面から提案したのでは合意形成ができず、頓挫しそうなものにこそ効果的なのだ。

・基本発想
どのみち実際にやることが同じなら、合意形成を得にくそうな見せ方で頓挫したり説得に四苦八苦するより、合意形成の得やすい見せ方で提案した方がいいんじゃないか。

・必要なこと
なるべく「さりげなく」「たいしたことではないように」「ごくアッサリとして」見えるように書く。実際にはどうあれ。もうすこし詳しい留意点は後述。

・適用方法
最初からそういう提案を考えようというわけではない。あくまでも「そう見える」という点に注意。なのでまず提案内容を決める。この時点では(まあ普通は)なにか自分なりにゴールを設定する。コンバージョンレートを改善するとか、ブランディングを行うとか、自分が駆け出しグラビアアイドルに会うとか、はてなでチヤホヤされるとか。
で、そうやって提案内容が固まってから、いかにそれが「さりげなく」「たいしたことではないように」「ごくアッサリとして」見えるようになるか考える。

・留意点
◆見た目
 とにかくあっさりと素っ気無く。装飾は廃して「情報を正確に伝えること」のみに注力した感じで。「気合入れた提案」に見えないよう気をつける。文字は「大小」「黒と赤」くらいにして、なるべく平べったく作る。
 1Pあたりの情報量は少なく、レイアウトも工夫しない。解りにくくならないようにだけ気をつける。
 「印象に残らない」「読み手の意識が紙の上を滑るような」仕上がりにするのが目的。ヘタに細部まであれこれ熟読されたり印象に残ったりすると、そのぶんだけ「いや、まてよ」みたいな思いが相手の頭に浮かびやすくなる。

◆補足的に書く
 提案の中で問題になりそうな部分ほど補足的にさらりと書く。とにかく読み飛ばしてもらえるように。といっても「大人の事情」「利害の違い」「ポジションの違い」「メンツの問題」など「状況とか関係者が違えば問題にならなそうな問題」に限る。これは合意形成に大きな障害となるうえに解決が厄介なので、できればリリースまで誰も気付かないのが理想。それ以外の問題点や課題点はちゃんと書くように。
 
◆ウソは書かない
 なんとなくここまで読むと人を騙くらかそうとしているように見えるが、そうではない。見せ方を変えているだけで、見せているもの自体は変えないように。

◆問題設定と体裁を考える
 これは一番最後に。提案とか企画は大なり小なりなんらかの問題点(というか解決すべきこと)があるから行われる。で、この問題設定を誤ると「これって問題なの?」「これは問題ではない」「この問題は今は着手したくないorできない」「それってうちが協力することなの?」などなど言われ、ラチが空かない。というわけで、いかに「うんうん。これはどうにかしないとね」と深く考えずに言ってもらえるかがポイント。自分が本当にその提案の実現で達成したいと思っている事柄とは別でもいい。

どういうのが無難かといえば、平たく言えば「UU向上」「販売促進」「売上げ向上」「資料請求数の増加」などなど。これらは現状がどれだけ好調でも「もう充分。これ以上は必要ない」ってことがないので合意が得やすいし、事実、それはサイトなりサービスなりが続く限り「常に永遠の問題」であって嘘ではない。ありもしない「問題」をでっちあげるのは論外である。

「認知度向上」「話題作り」などは一見すると合意が得やすそうだが、人によって優先度がえらく低かったり、達成による効果を疑問視したりする人がいるので注意が必要。全般に「それの達成により最終目標を補助する」系の事柄は合意が得られなかったりする。

あとはこうした問題設定の中から、提案内容にマッチしそうなものを選んで、滑らかにつながるよう考える。つなげ方に無理があると、当然そこがネックになる。だいたい、上手くつながらないものを「実施によって解決を目指す問題」に設定したとしても提案段階で違和感を抱かれやすい。自分でも「この提案で一番解決したい問題ではないけれど、あるいは効果があるかも」と思えるものを選ぶのがいい。

もちろん、自分が達成したいor解決したい事柄が合意を得やすそうならそれをそのまま書けばいい。

体裁というのは問題設定に似ているが、「実現によっていくつかありそうなプラス効果から、一番合意を得やすいものに焦点を絞る」という形態。ほかは全部「副次的な効果が期待される」程度に留めるか、割愛する。割愛しても後から「思わぬプラス効果」で済むから。


以上、たった3つのポイントだけでも合意の得やすさが違ってくる。企画書なり提案書なりを相手がサーッと眺めて「まあ、いいんじゃないの?」と深く考えずに言ってくれるのが理想。

どんな手法にもデメリットがある。今回の手法(ってほどでもないけど)だと
・あとから「あれ、○○って書いてたよね。ゴメン見落としてた。あれだとちょっとダメだわ」とか言われることもある。
・提案段階で見逃して欲しいポイントに気付く(そして問題視する)人もいる
・当然ながらコンペ案件とか元から注目度の高い案件には使えない
・費用が高い場合はどうにも通用しない
とかがある。

というわけでまあ、そこはケースバイケースってことで。まあ、誰かが参考にして真似るとも思えないが。
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