泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

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今日はこのブログにしては珍しく、自分の話から。
自分のひそかな趣味として、「web制作会社のサイトを見る」というのがある。正直、あまりイイ趣味とはいえない。だいたいビジネス・アーキテクツのサイトを見たりして「ああ、自分も大きな企業を相手に案件を切り回したこともあったなあ。でももうそんな機会もないだろうな」とか追憶にふけったり、実績の欄を見て今の自分とのレベルの違いに絶望して「あかん。もうアカン」とか不安定な気持ちになってみたりと、精神衛生上もよろしくない。
livedoorはいつもWebディレクターを募集しているふうなのに待遇について書いてないしせっかくの「ディレクターblog」へのリンクがないのはもったいないとか、そんなこと考えている暇があったらさっさとクイズの問題考えろよ→自分などと自分を責める結果にもなる。

そもそもこうやって不安定な気持ちになったりするのに制作会社のサイトを見るのは「意外と楽しい」という点が強い一方で、自分のレベルがどんなもんか、フリーランスだとだんだん判らなくなってくるというのもある。

webに限らずだと思うけれど、基本的にフリーランスの人間は目に見える評価がない。仕事が回ってくるかどうかが一つの目安ではあるけれど、それさえも自分に商品価値があるからなのか、相手が発注先を変更するのが面倒なだけなのかハッキリしない。(まあ、そんなによくないけど今さら他の人とか会社探すよりは、ねえ?そこまで悪いってわけでもないし…ということかもしれない)

でまあ、そんな状況で働いているときにいろいろな同業者のサイトを見ていると励みになったり焦燥感を抱いたり、「自分もまだまだ捨てたモノじゃない」と思えたりもする。つまりはまあ、なんだ。自己啓発的な役割を担っているわけだ。自己啓発!この私に?とはいえ、事実は認めざるを得ない。本当はこういう気持ちは同業者との接触の中から生まれるものなのかもしれないが、いかんせん身の回りは公私共にIT・web関連以外の人ばかりだ。というか、まともに働いてる人が多くない。

そんなこんなでフリーランスが自分の商品価値を把握するのは、意外と難しい。しかし、正しく把握するのが困難であっても、「自分の商品価値」を高める努力は必要だ。と、考えてきたのだけれど、最近ちょっとこの考えが揺らいでいる。

というのも(フリーランス以外にも当てはまるかどうか知らないけれど)、むしろクライアントが期待or評価するのは自分の「商品としての価値」よりも「コストパフォーマンス」じゃないか、そしてという気がしているからだ。

「コストパフォーマンス」も広い意味では商品価値だろうけれど、もっと…相対的というか。見積りの額が幾らだろうと「値段のわりにイイ仕事」をするのが「コストパフォーマンスがよい」ということであって、その額はいくらでもいい。腕利きで1000万円の価値がある仕事をする人が1000万円で受注していたら、それは別に「コストパフォーマンスがいい」とは言わない。値段相応だ。まあ、そんなわかり易く測れるもんでもないけど。

※以下、話を単純にするためモデル化する。実際はこんなに単純で図式的な話じゃない。

◆試みとして、発注側の立場で考える。

たとえばAさんは非常に腕利きだけれど、その分高い。BさんはAさんほど腕利きではないけれど充分なくらいの能力はあって、Aさんよりも安い。Cさんは払ったなりの仕事振りで、クオリティはAさんからDさんまで変動する。Dさんは他の三人より安いが、安いだけのことはある。

この場合、大きな案件だとか予算がある案件じゃないと、Aさんには頼みたくても頼めない。一方で、Dさんには予算がないときに仕方なく発注する。その中間の幅広いボリュームゾーンで浮かんでくるのはBさんとCさんだ。
ここでBさんとCさんの違いがどこかといえば、コストパフォーマンス。

多くの予算が払える案件(あるいは企業)の場合、CさんはAさんと競合する。一方で、予算がない場合、CさんはDさんと競合する。そしてその中間の予算であれば、BさんはCさんよりいい仕事をする。
たいていの案件がそうであるように、「そこまで予算が掛けられないけど、安かろう悪かろうってのもなあ」という状況で、CさんはBさんより不利なのだ。Bさん以外のレイヤーでも、それぞれAさんやDさんと競合して勝つ必要がある。

というわけで商品価値の高い人より、コストパフォーマンスの高い人の方が、仕事を頼みやすい。需要があるということだ。

◆今度は制作側から考えてみる。

Aさんは商品価値が高いので、先にも書いたように「頼みたくても頼めない」というケースがママある。それでもAさんは客単価が高いので、窮乏はしない。むしろ「お金を稼ぐ」という意味では、他の三人より成功していたりする。

しかし制作者がAさんになって/Aさんとして(しかも)仕事を継続するのは難しい。まず何であれ商品価値を高める実力や実績がいる。これだけで容易ではないのだけれど、さらに、そうした商品価値にお金が払えるクライアントとの繋がりがいる。やみくもに「商品価値が高い」だけではダメで、それにお金の払えるクライアントがいてくれないと発注数ばかりが減り、「値下げもやむなし」になりかねない。でなければ「開店休業」か。おまけに、どうかすると能力を上げる以上にそういったクライアントを持つことは難しい。Aさんで居続けるならフリーランスでやるより、それなりの会社に就職するか起業する方がいいんじゃないか。

フリーランスがBさんになるのはAさんになって(しかも)クライアントを見つけるよりは簡単だ。継続的な取引も見込みやすい。Cさんになると無駄に大変そうだし、Dさんになるのはジリ貧を意味する。

というわけで、フリーランスがジリ貧も開店休業や廉売を避けるには、自分の商品価値を高めるよりも、まずはコストパフォーマンスを高めることが必要なんじゃないか、と。その方が供給増につなげやすいんじゃないか、と。

商品価値を高める努力はコストパフォーマンスを高めることに注力した後で取り組む方が達成しやすいかもしれない。しみったれた考えだろうけれど、最初から高い目標設定をして「おまんまの食い上げ」ってわけにもいかんのだ。

ついでに書くと、「見做し(みなし)Bさん」になるのは難しくない。実際の自分の商品価値より、常に「ちょっとだけ」安く自分を売ればいい。実際には自分を安売りしているだけなので、長期的にはいい戦略じゃないだろうけれど。
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