泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

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コンペについて、気になることが書いてあった。

Web担当者Forum
ここが変だよウェブマーケティング第3回 失敗リニューアルをしない!


Web担当者Forumはサイト名からして、クライアント側の担当者を念頭においているはずだろう。だから、上記記事は「リニューアルの際は課題の把握とその解決が大事であって、見た目を変えることが本質ではない」という啓蒙記事なんだと思う。

この記事はコンペの際にデザインを提出しなかったら担当者から「他と違ってなぜ出さないのか?」と連絡があったというエピソードからはじまる。続いて筆者は

一般的にリニューアルコンペの際、多くの制作会社はデザイン案を出す。しかし私は、なぜコンペの段階で具体的なデザイン案をなぜ出せるのか、常々疑問に思っている。現行サイトの課題をきちんと分析せずに、またサイトのコンセプトを検討する前に、なぜデザインだけ先に提案できるのだろうかと。

と述べている。気になったのはここ。もちろん筆者も本当に「なぜコンペの段階で具体的なデザイン案をなぜ出せるのか」皆目見当も付かないわけじゃないだろうし、きじの糸としては枝葉末節なんだろうけど、せっかくなのでこの話を膨らませてみる。

まず、コンペでデザイン案を出す理由として「みんな出すから」というのが挙げられる。コンペティターが出している中で自分たちだけ出さないと「やる気がない」とかなんだとか、他の内容がよくっても、その1点だけで落とされるリスクがある。そもそもコンペの要件に「デザイン案の提出」が盛り込まれていることも珍しくない。

また、デザインというのはwebについてあまり知識のない人にアピールしやすいというのもある。IT系以外の多くの企業で、意思決定をしている(年代の)人は、あまりwebについての知識を持っていないことがザラである。そういう人は「数字」と「デザイン」以外に判断基準を持つことが難しい。判断しようという気があっても、二つの提案でどちらがいいか、知識のない状態で見極めるのは簡単じゃないと思う。(余談に近いけれど、たとえば自分が今の状態で「工場で使う専門的な用途の工作機械」の購入判断を求められたら、近い状況なんじゃないだろうか)

これはまあ、改善されればいいような状況だけれど、そうなってないのが現状なので仕方ない。

あと、「なぜコンペの段階で具体的なデザイン案をなぜ出せるのか」という問いに対しては、コンペのデザイン案は「仮説の具体化」だという回答もある。
対象サイトの現状を「(ブラウザを通して)把握できるだけの情報に基づいて分析し、提案内容を考え、その結果という仮説をデザインに落とし込むとこうなりますよ」ということ(勘違いかもしれないけど、建築関連のコンペで出されるデザイン案もそういうことなんじゃないか。それがそのまま採用されることもあるにせよ)。

ともあれ提出されたデザイン案から、クライアントはコンペティターについて以下の判断材料を得られる。
・デザインのセンスやテイスト
 →会社や対象サイトのこれまでのテイストと近いかor遠いか?意思決定者の好みかor違うか?他のコンペティターに比べてデザインが見劣りするかor優れているか?など。また、クライアントのそうした要素を把握している(しようとしてる)か?も。
たとえば極端な話だけれど、キッズ向けの学習サイトでファッションブランドのサイトみたいなデザイン案を出してきたら、よほどの理由がない限りその提案者はどこか問題がある、とか。

・提案内容を実際の形に落とし込む力量
 →提案書にある現状認識に基づいているかどうか。ちゃんと仮説として挙げられた問題点の解決を意図したデザイン案になっているか?など。
たとえば「デザイン案はいいんだけれど、それ以外で提案されている部分(課題設定や解決策など)が盛り込まれているように見えない」となれば、やはりその提案者にはどこか問題があるだろう。

また、デザイン案の有無から、以下のように判断しようとするクライアントもいるはずだ。

・準備期間内でどの程度の作業ができるか
 →デザイン案がないのは力量や人材の不足で、そこまで手が回らなかったのかもしれない。

コンペ時の提案内容は基本的に仮説なので、そのデザイン案はぶっちゃけ受注後に白紙となる可能性もある。受注後に「アクセスログ分析」や「ユーザビリティテスト」によって新事実が判明するかもしれないわけだし。白紙とまでは行かなくても、さらなる調査で大幅な変更の必要でが出てくることだってある。普通、受注前のコンペでは「ヒューリスティック評価」オンリーだから。

というわけで、ここまでこの記事で書いた諸々を考慮すると、やはり辛くても何でもコンペでは「仮説を具体化してみせる」ためのデザイン案なら誠実さを持って出せるはずだし、出した方がいいと思う。

だって、よっぽどそこへ発注したい理由や、提案内容を気に入ってくれたのでもなければ、わざわざ「デザインないんですけど…」なんて連絡してくれる担当者はまれだから。「デザインが出てない」という理由のみで、他は一切評価せず無言で落とす人も珍しくないし。

けど、実際コンペの(たいていは)短い準備期間でデザイン案までちゃんとデザイナーさんに作ってもらうのって、けっこう大変なんだよなあ。

長々と書いたわりに、ずいぶん普通のことばかりになってしまった。まあ、私の話は「細かく、クドく、長いわりに内容は平凡だ」って言われることあるしな。
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