泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

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dokamontiさんのエントリ「メルマガのディレクション。」を読んでコメントしたら、レスがあった。その中に気になる言葉が。

メルマガでディレクションを学んで
慣れていって
いづれはサイトを手がけていく
というのが先輩方の狙いらしいです。
確かに、ワークフローって
ほとんど一緒みたいですね。


考えてみれば、その先輩は慧眼だ。たしかに新米WEBディレクターが基礎力を養うブートキャンプとして、メルマガというフィールドはとても適している。
偶然だけれど私も実制作からディレクションに移った当初、2年ほどメルマガのディレクションも手がけていた。思い返せばこの期間が、サイトのディレクションをしていく上で大いに役立っている。以下、どういう点が基礎力を養うのに適しているかを挙げてみよう。


取り組みやすい

メルマガのディレクションはプロジェクトとして規模が小さく、技術的にも難しいものは要求されない。製作チームの規模も小さく、関係者も少ない。なので管理がしやすく、新米のWEBディレクターが手がけるにはちょうど良い。


プランニングしやすい

メルマガは形式で分けると2種類ある。
・テキストメルマガ
・HTMLメルマガ
両方に共通しているのは、機能制限が大きいこと。JAVAスクリプトは使えないし、フォーム類もダメ。Flashもたしか不可で、動画配信は実験したけれど、うまく表示されないメーラーがいくつかあってダメだった。フレーム要素も使えない。要するに画像と文字を表示し、リンクを設けるくらいのことしかできない。テキストメルマガはそもそもプレーンテキストなので、言うまでもなく出来ることは限られている。

こうして自然と選択の幅が狭まるので、UIとかギミックとか技術用件とかを考える必要がない。WEBそのものに初心者であっても、わりと容易にプランニングできる。「何でもできるから、何をしたらいいか分からない」という初心者にありがちな事態も発生しない。


レイアウトに敏感になる

主にHTMLメルマガの場合。
メーラーはブラウザに比べてたいてい表示幅が狭く、ページングなどもできない。「インデックス→各コンテンツ」というページ遷移もできないので、1階層にすべて掲載するしかない。また、メルマガは複数回発行が前提なので、「毎号レイアウトが変わる」というのは読みやすさや見栄えの点でも、コストの点でも問題がある。

そこでHTMLメルマガを立ち上げる際は、かなり綿密にレイアウトを組んでおかないと後であっさりピンチに陥る。見栄えの収まりがどうにも悪くなったり、
勝手にレイアウト崩れが発生してしまうのだ。ひとつのコーナーの最大文字数や掲載する画像数も、ほいほい増やせたりはしない。そのためHTMLメルマガの立ち上げを何度か経験すると、自然とレイアウトを綿密に設計する癖がつく。


校正力が向上する・制作物チェックの重要性が実感できる

メルマガは一発勝負なので、テキストに誤字脱字や記載ミスが発生した場合、後から修正ができない。訂正やお詫びは次号へ掲載するか、臨時お詫び号を発行するしかなくなる。WEBサイトに比べて、こうしたミスのインパクトが大きいのだ。なのでメルマガのディレクションを続けていると、自然と文章チェックに慎重にならざるをえないし、結果として校正力が向上する。制作物チェックの重要性が身をもって実感できる。仕事でサイトを制作する場合、地味だが、重要なスキルだ。


進行管理力が向上する

メルマガは普通、1回出せば終わりというものではない。そのため、1誌に対して継続的な進行管理が必要になる。不定期刊行ならあまり難しいことはない[*1]。しかし、定期刊行の場合は厳しい、有償で広告枠を販売している場合は最悪だ。決まった日時に発行できない場合は、即違約金につながりかねない。

ただし定期刊行の場合、各工程のスケジュールは最初に決めてしまえばあとはあまり変動しない。スケジュールを立てるのは一回で済むが、それを守らせる業務は延々と続くということだ。そして、スケジュールは立てることより守らせることの方が難しい。

おまけにメルマガはサイトを補完する位置づけの場合が多いので、クライアントからの素材や情報提供なども後回しにされがちだ。しかもサブ的な役割だからか、提供を忘れ去られたりもする。実制作の作業量もサイトほどではないので、「ギリギリでもなんとかなるだろ」と思われたりもする。

なので関係者の数や制作作業が小規模なわりに、進行管理はスムーズにいかない。「難しすぎず、楽すぎず」である。こうした、メルマガの「規模の小ささ」「進行管理の難易度」は新米WEBディレクターが経験を積むにはちょうどいい。


とまあ、そんなわけでメルマガのディレクションは新米WEBディレクターが基礎力を身につけるのに都合がいいのではないか。確かにこれでは身につかないスキルもあるだろう。けれども「最初の一歩」としては充分だ。


  1. プリプロモーションを目的としたメルマガは別。[↩back]


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